旅立ち

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    気がつけばもみじの赤い葉が風に舞い、銀杏の大木が黄色に染まっています。

    前回、父の病状をこのページに書いてから10日ばかりが経ちました。
    11月23日には、近所の安爲神社で恒例の蹴鞠の会があるというので
    友達と一緒に見に行く予定にしていました。
    その祭りの当日に、父は静かに旅立って行きました。

    気分の良い日にはベッドサイドに腰かけてゆっくりでしたが食事を摂っていた父が、
    食事を受けつけなくなったのは、亡くなるほんの2日前のことでした。

           18日 3時のおやつ 林檎のペースト

    息子が手を握ると笑顔で応え、出勤する娘には行ってらっしゃいと目顔で言って
    いたのに、23日夕方、私には何も告げないで一人旅立つてしまったのです。

    100歳の大往生でした。
    直ぐ駆けつけてくださった主治医が、「ええ顔やな」と言ってくださいました。
    最後に言ったのは「兄貴は帰ったの」という言葉でしたから、その頃もう兄弟と
    遊んでいる夢でも見ていたのかもしれません。

    寂しくなりました。
    これほど大きな穴があいたような寂寥感は初めてです。
    「夕食は何にしようかな」と考え、「あ〜いらんのや〜」とがっくり来ます。
    洗濯ものが出ないので、洗濯機は止まったままです。

    でもきっと今頃は先に行って待っている母に逢えたことでしょう。
    青い空に輝くように映える銀杏の大木を見ながらそう思っています。


        ひい孫の習字をみてやる父      (2014年正月)

     一緒に蹴鞠を見に行く予定だった友が、前日俳句を届けてくださいました。


         百歳を看取る友訪ふ菊日和   昭子さん

    心遣いしていただいた方々や医療のスタッフに感謝して、ご報告いたします。






     

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    名前を遊山といいます。   大阪府の北部に住んでいます。 京都にも近い山間部です。 近くには安威川が流れています。 川向うは高槻市になります。
    福祉施設の現場や学校などで介護を中心に60才まで就労しました。 今は家人と晴耕雨読の生活です。 ブログでは裏山に自生する植物や野鳥のこと、加えて地域の行事や小さな旅行など 紹介できたらと考えています。

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