津田青楓
津田青楓さん(1880~1978)について調べてみました。
清風さんが夏目漱石先生の本の装丁をしているということを知ったからです。
調べてみて驚きました。
この絵をご存知でしょうか? 犠牲者といいます。
これ、津田青楓さんが作家・小林多喜二の監獄での拷問死をモチーフに描いたものです。
放送大学の「日本美術史」で、大正・昭和期の絵画として紹介されていました。
絵は強烈に焼き付いていましたが、画家の名前をすっかり失念していました。
吊るされた男の服はズタズタに引き裂かれ、手にも頭にも足にも血が流れています。
鉄格子の窓の外には、小さく国会議事堂も見えます。
「日本美術史」の講師・佐藤康宏さんによれば、
社会主義に共感していた青楓はこの絵の製作中に連行された。
釈放後は洋画も社会活動も捨て、日本画に転向した。
ということです。
学習したのに、津田清風さんといえば、日本画家だとばかり思い込んでいた私です。
道草にみるような優しい色あいの絵と「犠牲者」が今でもなかなか結びつきません。
道草の装丁です。
優しい色合いですね。
画家は時代によって随分と画風が変化するのですね。
(知っているのは、ピカソの青の時代くらいですが・・・)
今、津田青楓著の「漱石と十弟子」を読んでいます。
そこから挿絵を1枚。
絵には、鈴木三重吉さんとか寺田寅彦さんとか10名の名前が書き込んであります。
芥川龍之介の名前はありません。
とても楽しそうな絵です。
やっぱり犠牲者とは繋がりにくいですネ〜。
(犠牲者の絵はテレビをから撮ってあります)
- 2016.06.30 Thursday
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- 16:06
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- by 遊山